美容外科への道～最初の転機

昨年中は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いします。わたくし事ですが、昨年6月に父が他界しました関係で、年賀のごあいさつは遠慮させていただいております。よろしくお願いします。

さて2009年最初のブログは、私が美容外科医になるまでのいきさつについてです。

この世界に行こうと決めたのは、大学６年生の春ごろだったと思います（１９８３年ごろ）。当時同級生のなかで美容外科を選択する医師はゼロ、形成外科希望者もいませんでした。それもそのはず、岡山大学には形成外科の医局すらない状態でしたから講義もありません。学生の間では「形成外科」の存在すら知らされていませんでした。

そんな中で、学生実習で各科を回っていた時に「耳鼻科」で見学した手術が「小耳症」の手術でした。「小耳症」とは、生まれつき耳が小さい奇形ですが、耳の機能は正常に保たれています。

当時の耳鼻咽喉科の小倉教授が手術をしていましたがすごく楽しそうに手術をされていた、という記憶があります。途中は何をしているかさっぱりわかりませんでしたが、手術の最後のほうになって見事な耳の形があらわれてきたのです。小倉教授がにこっとされて「できましたね」。それをみて「これだ！」とおもいました。

外科・内科・産婦人科・小児科・脳外科などいろいろな科を回りましたが、こんな感動は初めてでした。感動が冷めやらぬうちにさっそくこの手術について調べていき、そこでやっと「形成外科」の存在を知ったわけです。

さらに調べていくと「形成外科」のなかに「美容外科」という分野があることもわかり、自分は絶対これを一生の仕事にしようと決意したのでした。

その後、この決意が変わることは一度もありませんでしたが、希望がかなって美容外科医になったのは2002年3月でした。それまでのおよそ２０年間は紆余曲折の連続、その時その時の諸事情に翻弄され続けてきました。以後次号へ