美容外科への道~その3~転身
前号からの続き~
森口先生は大変忙しそうだったので、挨拶もそこそこに荻野先生からの手紙を渡しました。手紙を読んだあと、言われたのは
「私は出身大学にこだわらずに入局を許可していますが、今年はすでに川崎医大の卒業生で入局希望者がいるので今年のあなたの入局は難しい・・・・云々・・。」でした。
かなり凹みました。いまどきの「内定取り消し」ぐらいのショックでした。荻野先生に手紙まで書いてもらっていたので、すっかり川崎医大の形成外科に入れたつもりになっていました。帰り道はかなりショックでどう帰ったのか全く記憶がないほどでした。
形成外科で入局できるあてがすっかりなくなったので、完全に開き直って今年は形成外科をあきらめ、岡大に残るならここに行こう、と決めていた「麻酔科」に入局することを決心しました。
なんで麻酔科?と思われるかもしれませんが、最終的に形成外科・美容外科にいくにしてもその前に医療の原点である生命維持に直接かかわることをしておくことも必要だろうと思ったのです。
当時岡大の麻酔科は、全国でも有数のBIGな医局で大学内でも50人近くのDRがいました。ICU管理を麻酔科中心で診るのが基本方針で、関連病院をあわせると300人ぐらいの同門の先生がいました。
麻酔科の小坂教授はすごいパワーで当時大学病院長の仕事もこなされていました。面接の時も
「そうか~君は形成外科にいきたいのか、まあその前に2年間うちで麻酔や救急医療をみっちり勉強していきなさい。森口君も若い時はうちにいたんだよ。」
と終始太っ腹で入局OK。私も、え~っ、そうなんだ森口先生も若い時はこの医局にいたんだ~、一緒なんだこの選択、と単純に納得し麻酔科入局を決心しました。
この話には後日談があるのですが、それは次号で。