美容外科への道~その9~カルチャーショック
大学での形成外科初期研修時代に「美容外科」というものに初めて触れた日の出来事。
高須クリニックは名古屋の栄にあるビルの一角にありました。エレベーターを降りるとそこは回廊になっていて回り込んでいくと1室から人が廊下まであふれていました。なんだろうと近づくとそこが「高須クリニック」でした。
若い人たちを分けてクリニックの中に入っていくとそこはまるでどこかの「クラブ」のようなところ。
とにかく内装が黒1色。普通のクリニックでは考えられないセンスです。その日2回目のカルチャーショック。
奥に入っていくと、すでに手術が始まっていてそれほど広くないスペースに手術台が4台!カーテンで仕切られているだけでした。
その4台の手術台は最初から最後まで常に手術でフル稼働。
当時「クイック二重」というものが初めて登場し、若者に大人気。非常に簡単に二重になる、という触れ込みで患者さんが殺到し、美容外科ブームになっていました。
今から思うと信じられないかもしれませんが、当時ネットもなければ携帯電話もない時代です。ちょっとしたことがブームになる、そんな時代でした。
その日私が見学した「クイック二重」は23件と記憶しています。
見学が終わって帰る頃には、仕事をしたわけでもないのに、ものすごく疲れていました。
普通にOLの仕事をしていた女の子が、いきなり夜の仕事の現場に放り込まれたような、そんな1日でした。