美容外科への道~その15 自費診療へ転換

 保険診療から自費診療への準備期間 2000年4月~2002年3月

美容外科で独立を考える上で一番重要なことは「保険診療」から「自費診療」への転換です。その準備のために、次の勤務先になった陶生病院で初めて自費診療というものを取り入れてみました。

その時に考えたことが2つあります(この2つのことは開業した今でも常に考えていることです)。

1つは自費診療の場合、保険診療では受けられない診療内容が必要になります。しかも患者さんが「自費を出してもいい」と思える内容でなければいけません(患者さんの高いニーズ)。

2つ目は診療を提供する側として、日々の診療内容もさることながら採算性のことをシビアに考えなくてはいけません(診療の採算性)。

その当時考えたことは、診療内容はできるだけ一般の医者がやりたがらないもので、しかも患者さんのニーズが高いものであればなおさらよく、さらに高額の器械などはなくても始められる治療を、というように考えていきました。

そのとき思いついたのは「しみ治療」でした。「しみ治療」あまりいい治療結果にならないことが多いせいか真剣に取り組む美容外科医がすくなく、 その割には患者さんのニースが高く、レーザーなどがなくてもトレチノインクリームなどで始められたからです。

こうして2000年から始めた「しみ治療」は、陶生病院を辞めたあとも愛知医大の形成外科外来で現在も継続しています。これまでに1000人以上に「しみ治療」をおこなってきました。

その後美容外科診療の範囲をシミ治療以外にまぶた、鼻、フェイスリフト、豊胸、脂肪吸引と徐々に広めていくことができました。2002年4月以降は、名古屋大学の医局をやめフリーの美容外科医になりました。