美容外科への道~その16 フリーの美容外科医

フリーの美容外科医時代  2002年4月~2004年9月
2002年以降フリーの美容外科医になりました。いろいろなクリニックから常勤のオファーがありましたが、医者になってから18年間ずっと勤務医生活を送ってきましたのでしばらくはフリーでいたかった、という気持ちからお断りしていました。
このフリーの時期にいろいろな美容外科の先生に出会うことができ、美容外科でだいじなことをたくさん学ぶことができたことは非常にラッキーで、今の美容外科医としての基礎が築けた時期といっても過言ではありません。
そのうちのひとつは、美容外科のクリニック経営です。特に美容外科のクリニック経営には、普通の科とはちがったノウハウが必要とされます。なかでも広告戦略はそのクリニックの経営そのものを左右する重要なキーポイントと考えられていました。
現在美容クリニックを全国に多数展開している某クリニックの院長先生には、当時経営面からみた美容クリニックについて教えていただきました。患者さんのことを第一に考えながら、経営面をいかに安定させるか、安定することでさらにいい医療を提供できるのではないか、ということを当時からこつこつと実践されそこから多くを学ぶことができました(このようなことで実名を出してはその先生に失礼かとおもいあえて伏せています)。
もう一つは美容外科における私の手術スキルそのものの進歩です。フリーになったばかりのころからすでに一通りの美容手術はできてはいましたが、この時期に飛躍的に手術の質が向上したことはまちがいなく、今の開業生活にも深くつながっています。
私より一歩先に形成外科をやめて美容外科に専念していた福田先生やコムロ美容外科の医療部長をされていた元伊勢慶応病院形成外科部長の中西先生(のちに両先生とヴェリテを立ち上げることになったのは2004年10月のことです)と一緒に手術をするようになり、形成外科のテクニックをふんだんに取り入れた美容外科を実践していくようになりました。
とにかく形成外科医としてのプライドをもちながらも決してそれに甘んじることなく、常に手術の技術を磨き、患者さんの希望がちゃんとかなえられているかどうか、われわれの間でお互いにチェックしながら情報を交換する診療スタイルをとっていました。
そんな生活を2年半すごしたのちふたたび私の身に転機が訪れました。以下次号へ。