美容外科手術でトラブルを避けるために74

鼻の手術のポイントを整理します。

これはあくまで形成外科研修を終了した後に美容外科研修を始めようと思っている医師にむけて書いています。

最低限、鼻の手術で患者さんとのトラブルを避けるためのポイントとして読んでいただければ幸いです。

まずは鼻の手術は請負ではうまくいかない、ということです。

それほど患者さんの希望している手術とその結果にギャップがあるというのが鼻の手術の特徴です。

特に鼻の手術を顔全体の中でのバランスで考える場合に、患者さんの希望している手術は必要かもしれないが、十分ではないことがほとんどです。

術者は、患者さんの要望を聞くことは重要ですが、自分なりの見解(必要と思われる手術)を持つ必要があります。

もう一つ重要なポイントは、自分の手術が鼻に対してどのような変化を起こすかを知ること、逆に術前に考えている変化を手術でほぼ確実に実現できるようにすること、です。

これには自分が行った手術の経過を注意深く観察する態度が必要です。

それらを踏まえたうえで、これまでに書いてきた鼻先から鼻根部 鼻背、小鼻の手術で気を付けるべき点を頭に入れて手術をすれば、少なくとも患者さんと術後にトラブルになる可能性は極めて低いと断言できます(これは私自身の過去20年間の鼻の手術経験を根拠にしています)。

次回は鼻の修正手術についてです。