美容外科カウンセリングその4

八事石坂クリニックのカウンセリングは、他とはちょっと違います。

特殊なことをしているというよりは、むしろオーソドックスな正統派カウンセリングと思っています。

「二重にしてください」というシンプルな相談から「顔をどうしたらいい感じになりますか」という複雑な相談までありますが、どちらかというと後者が多いようです。

こういった相談こそ、美容外科医としての本領が発揮されると思います。

そういった複雑な相談の場合に一番大事なことは、手術で目指している顔(ゴール)のイメージがあるかどうかということです。

特に鼻や輪郭の手術の場合に一番失敗しやすいのは、どんな手術をするか、ということが話題になってしまっていて肝心なゴール設定がなおざりになっている場合です。

ゴールが鮮明になっていない段階で行き当たりばったりにやみくもに手術をしても、思うような結果になることは決してありません。

こういったケースは例を挙げるのにいとまがないほどに多いです。

例1 鼻先を細くしようと思って「鼻尖縮小術」をしたのに変わらなかった。

これは一番多い修正パターンで、鼻先のすっきりした鼻にする手術→鼻尖縮小術と単純に考えたのでしょうが、鼻尖縮小術は鼻翼軟骨を形成して縫合する手術で、患者さんが期待している「鼻先の見た目が必ずすっきりすることをお約束する手術」ではありません。

例2 小顔にしようとして、顔面骨(顎、頬骨、えらなど)すべてを削ったのに、本人の考えている小顔とはほど遠い結果で、むしろ前よりも顔が大きく見えるようになった。

これもよくあるパターンで、顔面骨骨切りは一般的に高額の手術になりやすいのでご本人の落胆ぶりは目も当てられません。ただ術後のレントゲン写真をみるとちゃんと骨は削られていて、むしろ名人級の腕前の術者だったことがわかりました。なぜこういった結果になるのでしょうか?

共通していることは、手術をすることで得られるであろうイメージが、術前に術者と患者さんの間で共有されてなかったということです。

何をするか(例1の場合は鼻尖縮小術、例2の場合は顔面骨切り術)はお互いに了解されていましたが、患者さんもどんなイメージなりたいかを伝えてなかったし、術者にも全く伝わってなかったというのが真相です。

こういったことが美容外科医も分かっていないのですから、ましてや経験の少ない患者さんにはなかなか理解できないことかもしれません。

ですからカウンセリングに時間がかかるのは当然だというのが私の考えです。

それでは例1 例2のケースは具体的にどうすればよかったのか、次回に書きます。