美容外科手術でトラブルを避けるために46
鼻中隔延長術で鼻先をどうすればいいか、患者さんの満足度を上げるには?
私の今の時点での結論は、ここはやはり鼻の手術の原点に戻って考えるということです。
鼻先に関して言えばセオリーどおり「アップノーズ」が正統な鼻先の位置だということです。
そもそも鼻の手術は従来「西洋人の手術」です。ちなみに英語の鼻の手術の本「rhinoplasty」は山ほどあり一つ一つのボリュームは半端ないですが、その中に鼻先を標準より下げる手術はありません。
たまに外傷などで鼻が極端に短くなってしまった症例で鼻先を下げる手術の紹介はありますが、美容的に鼻先を下げる手術はなく、逆に挙げる手術「アップノーズ」だけです。
もちろん東洋人の鼻の手術は西洋人とは違いますが、東洋人でも極端に鼻先を下げる手術はありえません。
元来日本人にはアップノーズ恐怖症がありますが、これは厳密にいうと「短鼻恐怖症」です。
以前に鼻にプロテーゼを挿入され術後にそれが頭側に移動すると、鼻先が上がってしまいかつ鼻の始まりが上からになります。
これをアップノーズと思ってしまう患者さんは、その言葉を聞いただけで嫌になります。
話が少しそれましたが、鼻先の位置の基本は「アップノーズ」でかついわゆる「短鼻」に見えないようにしなければならない、というのが基本だと考えます。
しかしこれは鼻先だけ考えては実現できないことで、ここに「鼻の手術はバランス手術」だという重要なポイントに行き当たります。