美容外科手術でトラブルを避けるために66
隆鼻術のアプローチ段階での注意点についてです。
鼻翼軟骨外側脚を意識しながら鼻背にアプローチし、次に鼻中隔軟骨の背側を軟骨上にそって剥離していきます。
ここも修正例のほとんどで剥離層が浅くて、場合によっては皮下を剥離している例も多々あります。
前々回に移植材料の考察をしましたが、それをあれこれ考えるよりもこのアプローチを正しい層でおこなうことのほうがよほど大事です。
浅い層に挿入すればどうしても移植材料のプロフィールが見えやすくなり人工感が出やすくなります。
さらに頭側に向かってナジオンを少し超えるところまで剥離腔を作成するときも同じことが言えます。
骨膜と骨の間に正しく剥離腔を作ること(骨膜下で剥離)でプロテーゼの輪郭が見えにくくでき、可動性も少なくできます。
特に頭側方向の剥離は一部ブラインドになりますので、少し慣れないと骨膜下の剥離は難しく感じるかもしれません。
ここもぜひオープンアプローチの手術を見る機会に可視下で骨膜の状態を確認しておいてほしいものです。
隆鼻術全体の注意点を次回に書きます。