美容外科手術でトラブルを避けるために67

隆鼻術のトラブルで多いのは、「曲がり」です。

顔の中心で目立つところでもあるので、少しのゆがみでも患者さんにとっては気になるところです。

ビギナーの術者が気を付けなければいけないのは、術前の鼻背の状態です。

ぜひこれから機会があるたびに、人の鼻をよく観察してください。

特に、鼻背の側壁の斜度の左右差に注目してください。

ほとんどの人で左右差がみられ、なぜか右の斜度が左よりも緩やかな人が多いようです。

その場合鼻筋はなんとなく左寄りに見えます。

もちろん逆の場合もあるとは思いますが、この斜度の左右差がない人のほうが稀です。

ところが患者さんで術前からその左右差に気づいている人はほとんどいません。

鼻筋が低いとそれに気づかないのです。

ところが隆鼻術で鼻筋が高くなると途端に左右差が顕在化します。

そうすると患者さんは「手術で鼻筋がずれた!」ということになります。

隆鼻術の原則として鼻筋のトップ(尾根のもっとも高いところ)に挿入しますので、こういったことが起きてしまいます。

トラブルを避けるためには、術前にこのことをよく患者さんに説明しておくことが重要です。

決して術後にそのことを初めて指摘することがないようにしてください。

患者さんは術後では素直に聞いてくれない可能性があるからです。