美容外科手術でトラブルを避けるために68

形成外科研修を終了しこれから美容外科を始めようと考えている専攻医に向けて美容外科の陥りがちな落とし穴と対策のポイントを書いています。

今はずっと「鼻」について書いていますが、すでに「鼻尖」「鼻根部」「鼻背」を終了しました。

次はしばらく小鼻について書いていきます。

小鼻の要望で多いのは「縮小」です。

小鼻を大きくしてほしい、という要望はめったにありません。

実際に患者さんからお聞きするのは、笑った時に広がる小鼻を何とかしてほしいというものが圧倒的に多いようです。

あとは、小鼻の面積そのものが大きいと感じている、小鼻が厚いと感じている、小鼻が下がっているのが気になる などです。

難しいのは、これらを解決しようと思うと目につくところに傷がつく、ということを患者さんに理解していただくことです。

目につくところの傷は患者さんにとっては「マイナス」です。

しかしこれは避けられないとするとそれを上回る「プラス」を作って差し上げるほかに手はありません。

ですから、小鼻の手術で一番大事なことは、小鼻のサイズを確実に小さくすることとその形が美しくなることの両方を実現しなければなりません。

失敗例を見るとその多くの場合、サイズが小さくなっていないか、小さくなっていても不細工な小鼻になっているか、最悪その両方の場合もあります。

ダウンサイズはなんとかできても、その結果が美しいかどうか、まさにここがこの手術の生命線であります。