鼻の手術その18
鼻先は一つ?
今回は鼻先についてですが、英語ではtip defining point(TDP)といいます。
英語で書かれたrhinoplastyの教科書を見ると、TDPsと複数形になっています。
つまり鼻先は複数あって、一つではない、ということになります。
鼻先はひし形の頂点として4か所、というように書いてある教科書もあります。
私も鼻先の形を作るときに、鼻先が1か所にならないよう複数の鼻先のポイントができるように手術しています。
特に左右2か所のポイントは、鼻根部から下に降りてくる鼻筋の終着点として意識して作るようにすれば、すっきりした鼻を実現できると考えています。
鼻翼軟骨全体がしっかりしていればsuture techniqueでこれらを作ることができるのでしょうが、今まで書いてきたように日本人の弱い鼻翼軟骨だけでは実現不可能ですので、軟骨移植が必須になります。
患者さんの要望の多いいわゆる「鼻尖軟骨移植」「耳介軟骨移植」はこの目的で行われています。
鼻先の高さや向きは鼻中隔延長術でコントロールすることになり、鼻先の形は「鼻尖軟骨移植」や「耳介軟骨移植」で行う、と考えればわかりやすいと思います。
考えれば当たり前ですが、手術にはこのようにすべて目的がありますので、それを理解して正しく行う必要があります