鼻の手術その19
鼻背部の話
鼻尖部と鼻根部の間の鼻背部はいわゆる鼻筋を作るときに重要になります。
鼻筋を通したい場合は、高さを出すか幅を狭めるか両方するか、です。
高さを出す方法として一番一般的なのはプロテーゼ挿入です。
研修時に一番最初に行う手術はこの手術になります。
材料としては、シリコン製 ゴアテックス製 自家軟骨などが用いられています。
材料そのものの説明はまた別の機会に行います。
幅を狭めるには、骨切り幅寄せが必要になります。
絶対に高さを出したくないが鼻筋を通したい場合この手術が適応になります。
またハンプというでっぱりがある場合は、これを切除して骨切り幅寄せが必要になります。
ハンプ切除についても別の機会にします。
これら鼻背の手術はとても重要ですが、うちのクリニックではこの手術を単独で行うことはほとんどありません。
なぜなら手術が必要な鼻で、この鼻筋だけが不足していることがないからです。
鼻の手術で一番大事なのは鼻先・鼻尖です。
鼻先が問題ないのに鼻背だけ問題がある、という鼻はまず考えられません。
ここも鼻の手術がバランス手術で、いろいろなところに手を入れながらバランスをとっていくことが重要であるということがわかる点です。
例えば、鼻尖に問題があるのにプロテーゼだけ入れられてしまった症例です。
すべてのバランスを取り直しました。
バランスをとるとどこを手術したかわかりにくくなります。
整形っぽいというのは手術した範囲が少なすぎることが原因であることがよくわかる例だと思います。