鼻の手術その26

前回の続きです。

すっーとした鼻にするにはある程度鼻全体の高さが必要になります。しかしあまり目立つ大きな鼻にはしたくない。

この一見矛盾した問題を解決することが、患者さんの満足度を高めることにつながると考えます。

前回は鼻の始まり、つまり鼻根部における鼻と眉間部分の関係を見てきました。

今回は鼻全体について考えましょう。

全体を考えるときに大事なことは、顔を正面から見て上1/3 中1/3下1/3のように大まかに3分割してこの部分の前後の位置関係を見ていくことです。

日本人は、相対的に下1/3がほかの部分に比較して前突していることが多いと考えられます。

逆に、上1/3と中1/3が相対的に後退しているとも考えられます。

鼻を目立たなくするにはこの中1/3を前方移動することで鼻だけが高くなってしまうことを避けることが重要です。

具体的に言えば鼻翼基部 鼻の両側の頬、眉間部などです。

眉間については前回書きました。

以外に気づかないのは鼻翼基部の陥凹です。

ここが陥凹していると口元も突出して見えますので、ここの改善は顔貌全体にいい影響を及ぼす可能性がとても高いといえます。

半年ぐらい前の記事に書きましたように、私はこの部分にプロテーゼ(鼻翼基部プロテーゼ)を挿入する手術を好んでいます。

メリットは、大掛かりな手術(例えばルフォー1)に比べて非常に簡単に口元の突出が目立たなくできることです。

頬や眉間には脂肪注入を好んでいます。

こうして鼻周囲を前方移動することで鼻だけ高く見えてしまうことを避けることができます。