鼻の手術その3
昨日も鼻の超困難な修正手術でした。
こじんまりした鼻にしたいという患者さんで、過去に鼻中隔延長術(以下SEG)を受けたにも関わらず、鼻先がさがってしまい鼻全体が大きく見えてしまう、という状態でした。
こじんまりした鼻を実現するには、鼻の始まりを下げることと鼻先をアップノーズにすることが重要です。
少なくとも鼻尖の位置が術後に変わってしまっては、術者の意図あるいは患者さんの希望を叶える手術は難しくなります。
鼻尖の位置をコントロールしそれを維持する、これが鼻尖の手術のもっとも重要な目的になります。
しかし、これがまた最も難しい手術になります。
鼻の穴に指を入れて前に出すようにして笑ってみるとかなりの力で鼻先を下げる力が働いていることが容易に理解できます。
この力が術後の鼻先にずっとかかっているわけで、相当な固定力がないと維持できません。
話が前後しますが、具体的にはSEG以外にこれを実現できる手術はありません。
患者さんの中には(一部美容外科医も)誤解しているようですが、SEGは鼻を長くする手術と考えている人がいますが、この手術の本当の目的は「鼻尖の動きを犠牲にして位置と高さを決めてそれを維持する」ことです。
まずはここまで理解していただくと鼻の手術の第1歩がクリアです。
続く