鼻尖縮小術≠すっきりした鼻先の手術 4
鼻先をすっきり見せるために手術と同じぐらい重要なことは何か、というお話です。
いったん鼻先をとがらせることと同じぐらい、あるいはそれ以上に大事なことは尖った鼻先を維持するための術後固定です。
どこをどのように固定するか具体的なことはここでは申し上げませんが、手術で作った陥凹した軟骨と、元の丸い形に戻ろうとする皮膚の間に隙間ができないように常に押さえておくことが術後の固定の目的になります。
必然的に「鼻尖部」を押さえるようにテープ固定とギプス固定をすることになります。
これをおろそかにすると「鼻尖部」の皮膚は丸く元に戻ろうとするので軟骨との間に隙間ができます。
ここで「形成外科」の知識と体験がものを言ってきます。
そうです、体内の隙間(デッドスペース)は瘢痕組織で充填されてしまうのです。
いったんここに厚い瘢痕組織ができてしまうとなかなか吸収されません。
もちろんせっかく陥凹させた軟骨の形などは描出されるわけがありません。
この結果、術前よりも硬くて厚い「鼻尖部」の出来上がりとなります。
もちろん形は術前と同じかむしろ大きくなってしまうのです。
我々のクリニックに鼻の修正相談で訪れる患者さんの大半がこんな状況になっています。
十分に破壊しつくされた軟骨と厚い瘢痕を目の前に毎回「絶望的な」気持ちになりながら修正手術をしています。
これが手術の回数とともにさらにひどくなっていくのです。
次回はすこし違った角度でこの鼻尖部の問題をみていきましょう。