鼻中隔延長術
最近、鼻の手術では「鼻中隔延長術」が少しブームになっています。
患者さんから「鼻中隔延長術」を名指しで希望されることもしばしばあります。
今でこそ「鼻中隔延長術」は美容外科医のあいだで一般的になってきましたが、もともとこの手術を美容外科界に熱心に導入されたのはヴェリテクリニックの福田先生です。
私の記憶違いでなければこの手術は元々、形成外科領域で形成外科医によって唇裂鼻の修正に用いられ発表された方法だったと思います。
「唇裂鼻」は唇顎口蓋裂の患者さんに起こる外鼻変形です。鼻翼軟骨の非対称性、片側あるいは両側の顎裂によって鼻翼鼻尖部の支えがないことで独特の形態を示す変形です。
それはさておき、この鼻中隔延長術は鼻の手術でまさに画期的な意義のある手術だと考えています。
鼻は一般的に手術侵襲を受けると全体が上を向いて短くなります。鼻の皮膚の下にハンコン形成が生じ拘縮することが原因のひとつです。
シリコンプロテーゼによる隆鼻術ですら、その術後に鼻は高くなったが短くなって上を向いてしまった、という患者さんもおられます。
いろいろな鼻の手術のなかで術後に確実に安全に鼻が長くなる手術は、「鼻中隔延長術」をおいてほかにないといっても過言ではありません。