鼻中隔延長術その3
まっすぐに鼻中隔延長するのはいうほど簡単ではないです。
常に縮まろうとする鼻先をその力に逆らって伸ばすわけですから、かなりしっかりした軟骨移植をしないと負けてしまいます。
最初のころは、比較的小さな耳介軟骨を柱のようにつかって鼻中隔軟骨に立てていました。その方法では術後の明らかな変化が出しにくいし、大きく延長すると術後に曲がってくることが予想されました。
症例を重ねていくと、まっすぐに延長しそれが長年安定しているためにはかなりの大きさの軟骨移植が必要であることを痛感するようになりました。
住宅でも柱で支えるより面で支えるほうが、それにたいして平行な力には強いことが知られています。
それほど大きな軟骨移植をするには、豊富な移植材料を採取できるところが必要です。
そのためには両側の耳介軟骨や肋軟骨を使用することがほとんどです。鼻中隔軟骨の中央部分をくりぬいて延長材料にすることもありますが、強度・大きさの面でやや不足気味です。
耳介軟骨、肋軟骨を使ったとしても、軟骨自体はもともと曲がりがあり柔らかく1枚ではまっすぐになりません。
それを解消するためには、2枚の軟骨を反対向きに合わせてそれぞれの曲がりを打ち消しあうように移植する工夫が必要になってきます。
さらに鼻中隔軟骨を移植軟骨で挟み込むようにして固定することが必要です。