症例写真の見方 前編
どのクリニックの、どの先生に施術をお願いしようか?
ホームページをみたり、ブログを読んだり、いろんな情報を集めると思いますが
その中でも「症例写真」というのはかなり参考になる情報ではないでしょうか?
ですが
before after の写真を見て、「ものすごくキレイになってる!この先生にお願いしよう!」
と決意するその前に、
その写真は本当に正しい情報を伝えてくれているのでしょうか?
と一呼吸置いて考える事が実は大事だと思います。
今回は症例写真というものがどういうものなのか、どこを見れば正しい情報が手に入るのか、
そういったところを美容外科医側の視点で書いていこうと思います。
※長くなってしまったので、前編後編にわけて書きました。後編の方が大事です!
- そもそも症例写真とは?
- みるべきポイント
- 見落としがちな注意点(後編)
そもそも症例写真とは?
一般的に症例写真とは、患者様の同意の上で掲載させていただく、術前と術後の比較画像のことを指します。
いわゆる「モニター価格」として正規料金より低い料金で施術を行う事で画像を使わせていただく場合や、
時には患者様の好意により使用させていただく場合もあります。
このような写真をクリニック側が掲載する目的はなんでしょうか?
もちろん一番大きな目的は、写真を見た方に「この先生に手術をしてもらいたい」と思ってもらう事です。
つまり、どうしてもクリニック側の症例写真には「手術の結果を良く見せたい」という気持ちが働いてしまうという事です!
これは後編に書く注意点にも関係してくるので、頭の片隅に。
もう一つの目的は、患者様に「この手術ではここがこういう変化しますよ。」「ここはこうはならないんですよ。」という説明に用いる事です。
例えば「鼻中隔延長術で鼻柱を適度に下降させる事で、ACR(鼻翼と鼻柱の関係)を改善させる事ができます。」
と、言葉で言われてもちょっとわかりづらいような説明も、
このような写真を見ながらの説明であれば一瞬でイメージがつきやすいですよね。
見るべきポイント
次に、見るべきポイントです。
まずはこのようなポイントに焦点を当てて見てみましょう。
- before afterでどこがどのように変化をしているか。
- before afterの間に、どのような手術をされているのか。
- before afterの間、どのくらいに時間が経過しているのか。
全体の雰囲気の変化ももちろん大事ですが、手術をしたパーツがどのように変わっているのか、まずはそこに注目しましょう。
あまり望ましい事ではないですが
書いてある手術以外にも実は何ヶ所か変わっています、という事もあるので要注意ですね。
そして次に、どのような手術をした結果なのか、を必ず確認しましょう。
きちんとしたクリニック、ドクターであれば、見る人が正確に治療内容を知る事ができるような記載をしているはずです。
「読んでも何の手術をしたのかよくわからない」場合はやや不親切かなと思いますので、そういったクリニックは少し注意すべきでしょう。
そもそも治療内容、料金、リスク・副作用を明記する事は医療法で義務付けられていますしね。
もう一点、afterの写真が術後何ヶ月で撮られたものなのか、必ず確認すべきです。
これが実は結構大事です。
まだまだ完成していない時期のafter写真だけ見て決めるのは危険です。
完成までの期間は手術の内容によって違いますが、例えば
二重埋没法であれば2週間〜1ヶ月
鼻やフェイスリフトなどは6ヶ月〜1年
骨格の手術は1年以上
の術後写真を見ることができればかなり信頼度が高いかなと思います。
さらにより深く情報をゲットしたい、という方は
- before写真が自分の現状と近いかどうか。
- 複数の角度(正面、斜め、真横など)から撮られた画像があるかどうか。
- 写っている範囲が十分かどうか。(瞼だったら額や眉毛、鼻だったら額や口元、顎まで写っていると良いですね。)
ここまでチェックできれば、自分が手術を受けてどうなるのか、イメージが固まってくると思います。