眉下切開について
眉下切開、眉毛下皮膚切除、上眼瞼リフト など様々な呼称がありますが、基本的には同じ手術です。
おそらく当初は比較的高齢な方に対する手術でしたが、
最近では20代〜80代まで幅広い年齢層に対して行われる手術になってきました。
今回は眉下切開という手術
- どんな手術?
- 眉下切開を受けるとよくなる人
- 手術をする際に心がけていること
について書いていこうと思います。
どんな手術?
眉下切開は、眉毛下皮膚切除術もしくは上眼瞼リフトとも呼ばれ
基本的には眉毛の下での皮膚を切り取って縫い合わせるシンプルな手術です。
シンプルな手術だからこそ、「デザイン」「切り方」「縫い方」全てに気を遣わなければ最高の結果が出ない、
ある意味難しい手術です。
切開二重とは違い、目を開けていても閉じていても見えてしまう場所に傷ができ、
切り方や縫い方によっては非常に目立つ傷にもなってしまうのがこの手術です。
眉下切開を受けるとよくなる人
色々な意見があるとは思いますが、この手術が効果的なのは次の2タイプだと思います。
1 上瞼の皮膚が邪魔し、眉毛が上がってしまっている人。さらには視野が狭まっている人。(40代〜に多いタイプ)
2 眉毛は上がっていないが、皮膚のかぶさりのせいで二重が狭くなったり厚ぼったさを感じている人。(全年齢)
切除量は一般的に1のタイプの方が多くなります。
「眉下切開をすると眉毛が下がってしまうんですか?」 という質問をたまにいただきます。
手術により皮膚のあまりがなくなると、おでこの筋肉を使わずに瞼が開けられるようになるため
ほぼ確実に眉毛の位置が下がります。(※例外は腱膜性眼瞼下垂がある場合)
2のタイプに当てはまる方は余っている皮膚自体がそれほど多くないので、取り過ぎに注意する必要があります。
皮膚を取りすぎると眉毛が下がったり引きつれを起こしてしまいます。数年かけて徐々に下がってくるケースもあるようです。
さらに取りすぎると瞼が閉じにくくなり、ドライアイになってしまう事も考えられます。
手術をする際に心がけていること
私が手術をする際に心がけているのは次の2点です。
- 皮膚を取りすぎない事
- 傷跡を最大限目立たないようにする事
皮膚を取りすぎないようにする事は、簡単なようで簡単ではありません。
皮膚を取りすぎた場合、瞼が閉じにくくなる可能性もありますし、
そこまでではなくても眉毛が下がってしまったり、ひきつれが起こってしまったりします。
取りすぎないように気をつけるあまり、手術の効果が不十分となってもいけません。
切除する幅・デザインは術前に細心の注意を払って計測して決定します。
次に傷跡についてです。
上瞼というのは、他人の目につきやすい部分です。
二重の線にできる傷は目を開けていれば隠れますが、
眉下の傷跡は常に見えてしまいます。
なので眉下切開という手術は「傷跡をいかに目立たなくする事ができるか」が重要であり、
そのために最大限の工夫を行っています。
具体的な技法については文章にするのが難しいので簡単に
・傷跡から眉毛が生えてくるような特殊な切り方
・傷への反応の少ない、それでいて目立たない縫合糸の選定
・丁寧な縫合
を心がけています。
眉下の傷跡は、眉毛で隠れてくれるのが理想です。
切った部分の直下の毛根を温存すると、数ヶ月〜半年くらいかけて傷から毛が生えてきます。
毛根を温存し、そこを綺麗に縫合するのはまさに「言うは易し」です。非常に難しく時間がかかります。
当院ではこの手術はしっかり時間を確保しますので、急いで雑な縫合で済ましてしまう、という事はあり得ません。
男女差についても触れておきます。
当院ではやはりどちらかと言えば女性が多いですが、他の手術に比べ男性も多く受けにこられる印象です。
男性は化粧をする方が少ない反面、眉毛がしっかり生えている人が多いので傷が隠しやすく、
女性は眉毛が薄い方がいる一方、化粧やアートメイクで隠しやすいとも言えます。
今回のブログの内容は、カウンセリングに来られた際もじっくり説明させていただきます。
説明を聞いた上で最終的に手術を受けるかどうか決めていただければと思います。
手術を少しでも検討している方、迷われている方はぜひ一度カウンセリングへどうぞ。