美容外科学会統一問題について
今年も先日の学会で日本美容外科学会統一問題のシンポがありました。
今年の様子からは、率直に申し上げて、この問題は進展するどころか後退しているといえそうな状況でした。
以前からこの問題の解決には相当な壁が何重にもある、と思っていたのですが、現実的には想像よりはるかに解決困難な問題があるようです。
形成外科医を中心としたJSAPSとそれ以外の医師を中心にしたJSAS。
それぞれあまりに立場の違う美容外科医師たちが集まっている二つの集団がお互いに知恵を出し合って合意を得ることができるかどうかは、将来わが身に直接降りかかってくる問題とはいえ、なかなか興味深く考えさせられます。
たとえて言うなら、この二つの学会は幕末の薩長同盟前の長州藩と薩摩藩のようなものだと思うのです。
役者はそろっているのですが、ただひとり足りないのが坂本竜馬のようです。
実際の坂本竜馬がそれほどの人物だったかどうか、真偽のほどは別にして、人物として語られている「坂本竜馬」が今の美容外科医療業界には見当たりません。
学会の重鎮の先生方は、匙を投げたも同然のように「この問題を次の若い世代に任せたい」といって締めくくられました。
「次の若い世代」・・・って、もしかして我々50代世代のこと?
残念ながら、自分の周りを見渡しても「坂本竜馬」は今のところいないようですが(私を含めて)、そこはそれ、21世紀はなにも坂本竜馬のような一人の人物の登場を待たなくても解決方法はあるのではないか、というのが私の意見です。
真の実力と患者さんからの信頼をかね備えた美容外科医だけが生き残れる、それを客観的に評価できる制度があれば後はなにもいらないと考えます。
したがってそういった新しい美容外科医集団が出来上がればいいのだと思うのですが、制度上どこかの基本診療科のサブスペシャリティとならなければ存続できないというところに困難があります。