ゆとり教育世代
メディアで取り上げられていた話題で、なるほどと思いました。
就職率が極めて高い大学のある教室の教授の話です。
その指導の中心は、社会にでてすぐに役に立つ体験学習を取り入れていました。
具体的には、学生自身に考えさせる機会を、実際の会社などに赴くことで体験を通じて学生に与えていくというものでした。
今の20歳前後の世代はいわゆるゆとり教育世代といわれていて、小学校中学校では体験学習を中心に「つめこみ」ではなく生きた学習をしてきたはずです。
ところが逆に大学生になっても手取り足取り学生に考えさせる機会を与えないとこういったことができない、といった問題を感じました。
子供の教育にゆとりを与えると残念ながら大人の期待とは違って、かえって自分自身で問題点を見つけてそれを自力で解決していく、といったことをしなくなるのではないかと思うのです。
我々の世代と今の世代の大学受験で一番大きな制度的な違いは、大学入試センター試験です。
ちょっと興味があって初めて今年のセンター試験を自分で解いてみました。
数学を解いてみて感じることは、内容は基本的なことが理解できているかの確認程度のレベルで、35年ぶりの私でも十分正解できました。
しかし出題者の意図にそって迷うことなく回答して行かないとこの制限時間内に全問正解するのはむずかしいと感じました。
問題を解いているあいだじっくり考えている暇はほとんどなく、いかに問題を早く処理していくかという能力が問われていることがわかりました。
ゆとり教育世代はもしかすると我々の世代よりもはるかに「ゆとりのない教育」を受けてきているのかもしれません。